当社がヒーターを設計するために必要な情報は下記の通りです。
お問い合わせの際、ヒーターサイズ・電圧・電力のご指定があればヒーターの設計は可能です。 ※当社の設計範囲を超えていた場合は、可能な限りご要望に近い形でのご提案で対応します。 必要な電力が決まっていない(分からない)場合はヒーターの希望温度、もしくは被加熱物(暖めたい物・空間)の 希望温度、周囲環境をお聞かせ下さい。 全ての条件を加味した上でヒーターのご提案をさせて頂きます。
ヒーターの温度は単位面積あたりのワット数(消費電力)で決まります。これを「ワット密度(W/cm²)」といいます。 ※特定の試験条件で各ヒーターの温度上昇を測定しております。
当社ではご希望の温度、使用条件をもとに適切なW数を算出し、確実に温度が到達するよう安全率を加味してヒーターのご提案をさせて頂きます。 ※安全率とは別名「余裕率」とも言われ、電源電圧の降下率、ヒータの製作容量誤差、熱量計算時の計算誤差などを加味して、当社では1.2倍程度としています。
【当社の設計基準】
(※)お客様の使用環境や使用温度によって適正ワット密度は変わりますのでご注意下さい。
一般的なシートヒーターの温度は中央部が高く、周辺が低くなる傾向があります。 また発熱線の配線部は非配線部よりも高くなります。当社がサーモグラフィで撮影した資料がありますのでご紹介します。
【測定条件】
(※)アルミの反射によってサーモグラフィーで測定不可のためプラスチック板を使用しています。
【アルミ箔1層構造の場合の測定結果】
上画像図から、ヒーター端より中央部のほうが赤いことが分かります。 また発熱線部がより赤く、温度が高いことがわかります。
一般的なヒーターの場合、大抵このような温度分布になります。
お客様の中には「もっと温度が均一なヒーターが欲しい!」という方もおられます。 その場合、配線パターンを変更したり外側の余白を
減らしたりしての対応も可能です。 ご要望があればヒーターを金属板に貼り付け加工することもあります。
当社では上記加工無しで簡単に温度を均一にするためアルミ箔を2層にしたヒーターも製作しております。
その効果を下記サーモグラフィの資料でご確認下さい。
【アルミ箔2層構造の場合の効果】
通常のヒーターの場合、発熱線部や中央部に熱が集中していますが、アルミ箔を2層にすることで熱が均一になります。
ヒーターまたは被加熱物に温度ムラがあると、シビアな温度制御が難しくなります。
※温度の低い部分で制御すると過加熱、温度の高い部分で制御すると加熱不足となる可能性があります。
当社ではお客様のご使用方法に合わせたヒーターをご提案させていただきます。
ヒーターには自己温度制御性が無いため、必ず温度制御する必要があります。 ワット密度でヒーターの上昇温度を把握しても、周囲環境によって到達温度が変わるからです。 下記のグラフは昇温測定した資料です。
上図のシリコンラバーヒーターの昇温測定結果より 周囲温度が約20℃の時、表面温度が約70℃で落ち着き上昇温度が約50℃ということが分かります。
しかし仮に、周囲温度が40℃の場合、50℃上昇して表面90℃まで到達が予想されます。
このように、ヒーターの上昇温度+周囲温度(周囲環境)によって到達温度が変わるため温度制御は必ず必要です。
当社では下記の温度制御装置を標準で取り扱っております。
お客様のご使用方法、温度制御の精度、コスト、ヒーターとの相性などを考慮してご提案させて頂きます。
・サーモスタット(温度一点固定型)
【特徴】
・温度センサーと温度コントローラー(温度任意変更型)
【特徴】
・電子的に温度制御 : 種類が多く、お客様の用途に合わせてご提案致します。また要望があれば特注品も対応可能です。
・温度センサーと温度コントローラーがセット : 温度センサーは3種類(熱電対・サーミスタ・白金)取り扱っております。
※ご要望に応じてヒーターにセンサーを取り付けします。